「全国各地に戯曲を読書会がある!それぞれの活動は細々としたものでも、いくつかの会が集まれば、大きなイベントも開催できるのでは?」
そんな思いつきから生まれた『戯曲を読む会 全国大会2019』(以下、今大会)も、皆様のお力添えの甲斐あって、2019年9月22日、無事開催することができました。まずは、開催にご協力いただいた方々、応援してくださった方々、そして何よりご来場くださった皆様に、厚く御礼申し上げます。本当にありがとうございました!
今大会、まさに過去に前例のない内容の企画でした。何をするにも初めて尽くし、我々主催者側も手探りでの運営になったので、「なんとか無事に幕を下ろせて本当に良かった・・・」というのが、正直な感想です。
大会の内容についても運営についても、終えてみれば反省点は多々ありますが、でも、「反省は次回に活かせばいい!」と前向きに捉えています。改善ポイントが具体的に分かったことこそ、今大会の最大の収穫だったかもしれません。
え、「次回」・・・?
・・・そうです!我々、2019年大会を開催して、それで終わりだとはつゆほども考えてはおりません。ぜひ、第二回、第三回と開催を重ね、戯曲を声に出して読む人の輪を広げ、戯曲の認知度を上げ、戯曲の売り上げが上がり、日本、ひいては世界の戯曲文化の発展に貢献して・・・と、そんなのはまだまだ先の話ではありますが(笑)、まあとにかく先を見ています。
さて、前置きが長くなりましたが、このページでは、次回以降の開催のイメージを膨らませるために、来場者アンケートの結果を見ながら、今大会のあり方を振り返っていってみたいと思います。これまで長くお付き合いいただいた2019年大会も、この記事が総括りとなります。
以下、どうぞお付き合いいただければ幸いです。
アンケートで振り返る、『戯曲を読む会 全国大会2019』
・大会来場者と大会の目的について
今大会には、総勢70名の方のご来場がありました。その中の3割強、計24名が、WEBアンケートにご回答くださっています(皆様、自由記述回答なども大変丁寧にご回答いただきました。どうもありがとうございました)。
まずは、70名の方がご参加くださったということに、安心しました笑。今回は予約制も取らず、当日までどれだけの人がいらっしゃるか、全く予想もできなかったので、「10人くらいしか来なかったらどうしよう・・・」などと心配していたのです。
「逆に多過ぎたら、本読み体験が回せなくなる」という不安もあったのですが、蓋を開けてみれば、少な過ぎることもなく、多過ぎることもなく、今大会の企画内容にはちょうど良い人数になったと思います。
来場者の男女比、年齢層は以下の通り。アンケート回答者24名のみの状態像ではありますが、当日会場で受けた印象と大きく変わることはないかと思っています。
男女比、年齢層ともに、バランスが取れていたな、と感じます。
さて、次の結果、これが今大会一番の驚きでした。
なんと半数以上の人が、「戯曲の読書会に何度も参加したことがある」「戯曲の読書会に近い催しを開催したことがある」と答えています。
もちろん上記はアンケート回答者24名のみの統計なので、全体のことは分かりませんが、大会座談会の記録などでも、「皆さん読みに来ている」「読むのがお上手」という話が、何度も出ておりました。実際に、戯曲の読書会の常連さんの参加が多かったということだと思います。
戯曲を読む(書く)楽しさを知る人たちに、たくさんご参加いただいたこと。これは、大変ありがたいことでもある反面、ちょっと残念なところでもあります。と言いますのも、今回の大会の目的の一つは、「戯曲文化の裾野を広げる」ということでしたから。
大会座談会やアンケートの中でも、この点には「初心者向けの内容ではなかった」「演劇関係者ばかりなのが残念」などのご意見・ご指摘がありました。戯曲に触れたことのない人たちに、どのようにその楽しさを伝えるか。どのような切り口、内容でイベントを企画するべきか、それをどのように広報するべきか。次回開催の際は、こうした点をより意識していかなければいけないな、と感じています。
ただ、それでも今回、こうやって全国大会を開催したということ自体に、「裾野を広げる」効果があったのではないかとも思います。
全国大会公式サイトには、公開から現在までの累計で、1,800ユーザーの来訪者がありましたし、J:COMさんに大会の模様を放送していただくこともできました。
今大会を通して戯曲に興味を持ってくれた方、「今回は行けなかったけど、次回はきっと」と考えている方が、少しでもいてくれればと思います。
・大会の内容と、満足度について
さて、次は今大会の内容について振り返っていきましょう。
今大会は、
・開会式&主催団体紹介
・本読み体験 第1部
・本読み体験 第2部
・座談会&意見交換会
という構成で開催されました。まずは、大会全体に対するアンケート回答者の満足度からご紹介いたします。
ふ〜、良かった!!少なくとも、「満足しなかった」方はいらっしゃらなかったようです!笑
続いて、各プログラムに対する満足度です。
概ね、大会全体の満足度と一致する結果だと思いますが、「座談会・意見交換会」の満足度が相対的に低かったようです。
アンケート回答者の声を聞いてみると、「本読み体験の時間が短かった」「もっと読みたかった」という声が多かった一方、「主催団体が主役のイベントだった」「参加者同士の交流、お茶会形式を希望」「参加者側の声が聞きたかった」などの声もありました。
全ての人を満足させるプログラムというものはないだろうとは思いますが、こうした声からは、参加者の体験や交流により重点を置いた、参加者主体のプログラムが望まれていることが分かります。
確かに今大会、我々主催団体には、 「全国各地で活動する“戯曲を読む会”の、横のつながりを作りたい!」という気持ちが強くありました。実際、大会当日には6団体をゲスト団体としてご紹介し、公式サイトでも、全国15団体をご紹介させていただいています。
今大会を通して、たくさんの団体とつながることができたという点については大満足の結果となりましたが、主催者同士の交流の目的が前面に出てしまい、肝心の参加者が後回しになってしまっていたかもしれません。次回大会では、より参加者にフォーカスを当てたプログラムを計画できたらと思います。貴重なご意見、どうもありがとうございました!
・次回大会への期待と、まとめ
さて最後に、来場者アンケートの結果から次回大会への期待についてご紹介し、今大会の振り返りをまとめたいと思います。
まずはアンケートから、次回大会への参加希望について。
ですよね!!嬉しい!!
私もまたぜひ参加したいです。ぜひやりましょう!
今大会への満足度については「4」が多かったですが、次回大会への参加希望の度合いは「5」が圧倒的に多くなっています。これは、次回大会に対する、皆さんからの期待の表れだと受け取りました。期待にお応えできるよう、頑張ります!
さて、こうやって今大会のことを振り返ってきてみますと、2019年大会にはいろんな目的があったんだな、と改めて認識しました。
「全国各地で活動する“戯曲を読む会”の、横のつながりを作ろう!」
「戯曲を声に出して読むことの楽しさを広く発信しよう!」
「“戯曲を読む会”に参加する人を増やそう!」
「“戯曲を読む会”を主催する人を増やそう!」
「戯曲を読む会」の横のつながりについては、まずは第一歩目は踏み出せただろうと思います。ですが今回、存在は確認できたけれど連絡が取れなかった団体もありましたし、それにきっと、まだ見つけられていない団体もあることでしょう。今後も一つずつ一つずつ、つながりを作っていければと思います。
戯曲の楽しさの発信、戯曲人口を増やすという目標については、まだまだこれからといったところでしょう。幅広い参加者に興味を持っていただける参加型企画の立案や、戯曲の読書会のファシリテーター養成の意識などが、今後求められているのだろうと思います。どうぞ応援よろしくお願いいたします!
以上で、『戯曲を読む会 全国大会2019』のアンケート結果の報告、そして大会の振り返りレポートを終わりにしたいと思います。
第1回目の全国大会、まずは大成功だった、と考えています。今大会の良さを活かし、課題を意識し、よりパワーアップした第2回大会をお届けしたいと思います。
皆さん、どうもありがとうございました。次回をお楽しみに!!
(執筆担当:『本読み会』大野遙)
こちらの記事も併せてご覧ください。
・2019年大会報告
・2019年大会で読んだ戯曲
・2019年大会写真ギャラリー